2007/11/15の社説
2007/11/15
====================
朝日新聞
====================
■首相訪米―「北朝鮮」をどう進めるか
—————————————-
福田外交には、前任者にはない強みがある。歴史認識にまつわる難問を抱え
ていないことだ。まず話し合ってほしいのは北朝鮮の問題だ。核放棄の見返り
に、北朝鮮は日本との国交正常化と経済支援を期待している。だが、それには
拉致問題を避けては通れない。骨太の外交戦略を描く旅にしてもらいたい。
■道路整備計画―巨費を投じる余裕はない
—————————————-
国土交通省が発表した道路整備計画の素案によると、「土建国家」への危険
な逆戻りになる恐れがある。ガソリン税など道路特定財源の税率はいま本来の
約2倍に上乗せされている。計画はこれを10年間延長する案だ。確かに必要
な事業もあるだろう。それを吟味するには道路特定財源を一般財源化すること
が欠かせない。
====================
日経新聞
====================
■歳出改革を無視した道路財源の温存案
—————————————-
小泉政権以来の改革方針をかくも無視した役所の案も珍しいだろう。改革路
線は福田康夫首相のもとで逆走し始めたとの疑念を強めざるを得ない。国交省
素案は道路族による改革の骨抜きを象徴するものになる。福田政権の改革姿勢
への失望感は決定的になろう。
■政党の見識問われる同意人事
—————————————-
参院は国会の同意が必要な人事案のうち、省庁出身の3氏の再任を否決した。
不同意は1951年以来56年ぶりのことで、参院での与野党逆転を象徴する出来事
である。民主党にはもっと分かりやすい同意、不同意の基準を示すよう求めた
い。政府・与党側も民主党の考えを踏まえたうえで人選する謙虚さが必要だ。
====================
毎日新聞
====================
■道路中期計画 これでは土建国家の温存だ
—————————————-
福田康夫首相は自民党総裁選以来、小泉改革の継承を言ってきた。同時に構
造改革で取り残された地域や人々への対策を優先課題とするとも言ってきた。
それでは、国土交通省が13日公表した08年度から10年間の「道路の中期
計画」の素案はどう位置付けられるのか。いま必要なことは、道路を含め公共
投資の権限や財源を基本的に国から地方に下ろすことだ。同時に、事業も重点
化やスリム化しなければならない。道路の中期計画はこの流れに反する。福田
政権は土建国家の温存を図るのか。
■限界集落再生 縦割りを廃し住民本位に
—————————————-
65歳以上の高齢者人口が半数以上を占め、コミュニティー機能が十分に働
かない限界集落は年々増加傾向にある。限界集落を抱える市町村は「全国水源
の里連絡協議会」(仮称)を30日に設立する。旧来の過疎対策が十分な成果
を上げられない要因の一つは縦割り行政にある。英国の過疎地を走る「ポスト
バス」は、郵便物の集配だけでなく、乗客の輸送、住民の買い出し代行などま
でこなしている。縦割り行政から住民本位の行政に、いち早く転換すべきだ。
====================
産経新聞
====================
■横田さん拉致30年 現在も続く「北のテロ」だ
—————————————-
日本にとって、拉致は現在も続いている北のテロなのである。拉致への朝鮮
総連の関与も十分に解明されていない。拉致被害者家族会のメンバーらは訪米
し、米政府が指定解除しないよう働きかけている。16日にブッシュ大統領と
の初の首脳会談に臨む福田康夫首相は、拉致問題の進展がない限り、北のテロ
支援国家指定解除に反対だという日本の立場をはっきり伝えるべきである。
■道路特定財源 どこへ行った一般財源化
—————————————-
年末の予算編成に向け、改めて一般財源化の基本に立ち返らねばならない。
なぜ、こんな姿になったのか。最大の理由は参院選の与党大敗で自民党道路族
の発言力が増したことにある。選挙対策にとらわれている場合ではない。福田
政権には抜本的な再考を求めたい。
====================
読売新聞
====================
■道路整備計画 特定財源維持ありきの国交省案
—————————————-
「道路予算は一円たりとも譲らない」――道路族議員と国土交通省の決意表
明と受け止める人も多いことだろう。国交省が、合計68兆円の財源が必要だ、
と強調している。民主党は、暫定税率を打ち切った上、有力な道路特定財源で
ある自動車重量税や取得税の廃止などを打ち出している。これでは国の財政再
建に逆行するし、ガソリンの価格下落で車の走行量が増え、二酸化炭素の排出
量も増える。地方自治体は貴重な財源を失い、都市部との財政格差がさらに広
がる。格差是正を唱える民主党の主張とも矛盾するのではないか。
■犯罪白書 再犯防止が事件を減らすカギだ
—————————————-
一度罪を犯した人が、再び犯罪を起こさないようにすることが、治安を回復
させる有効策の一つだ。社会全体で手だてを考える必要がある。更生保護施設
を新設・拡充する際の公的補助の充実や、社会福祉法人の更生保護事業への参
入促進など、受け皿の拡大に知恵を絞る必要がある。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
====================
各社の社説感想
====================
道路整備計画が5社、訪米での北朝鮮問題が2社。個人的に重要と思うのは、
やはり拉致問題。
道路整備計画については、日経にあったように数字をぴたりとあわせている
ことに、非常に怒りを覚える。5年先10年先の日本の経済状態に対しての無責任
さを感じるからだ。この計画によって経済がどう変化するのかという見通しの
下で数字合わせをしているのならともかくも、現状における税収を基準にして
の計画だからだ。民主党案のよしあしはともかく、このまま原油価格が上昇す
れば、税率を下げなければならなくなる時が来るだろうに。まあ、原油価格上
昇は自分たちの仕事の結果じゃないから、とでも言うのだろうな。仮に仕事の
結果だとしても、彼らは無責任(責任追及はされない)なのだが。
ということで、いよいよ福田内閣に対する根本的な批判も出てきたわけで、
解散を呼びかける社説登場も近いか。
====================
気になる言葉遣い
====================
毎日新聞社「トチの実はアクが強く、アク抜き技術にはノウハウが必要だ。」
の部分。「後で後悔する」の類だな。
「アク抜きにはノウハウが必要だ」でいいわけだが、無形資産を強調するな
ら、「アク抜きには知識と技術が必要だ」というのもいいかもしれない。
Discussion Area - Leave a Comment