「どこまでOK? 迷ったときのネット著作権ハンドブック」中村俊介著
題 名:どこまでOK? 迷ったときのネット著作権ハンドブック
著者名:中村俊介 監修:植村元雄(弁護士)
著作権の本である。
ITとは直接かかわりがないかのように見えて、現代ではITと著作権は非常に密接な関係がある。著作権とは情報に対する権利であり、現代では情報=デジタルデータであり、デジタルデータを取り扱う技術がITだからだ。
漠然と知っているつもりの著作権だが、あらためて勉強してみると自分の無知が恥ずかしくなる。
たとえば、名誉・声望保持権(23条5項)というのがあるとこの本ではじめて知った。
例としてこの本に、高尚な音楽を作ったつもりが低俗なショーで使われたというケースが上げられている。
しかし、こんなのを認めてもいいのかという疑問もある。
たとえバッハのイギリス組曲第2番が女装した少年の手でストリップの伴奏に演奏されたとしても、
「ここまで個性が強ければこれほど見事にストリップの伴奏になってしまうのか。単なる裸踊りを生きた芸術に変えてしまう」(引用:一色まこと「ピアノの森」第08巻)
と音楽学校の先生に言わしめてしまうことがありえるのだが。もっとも、その直後に
「やめてくれ!! この曲はこんなコトのために創られたんじゃないんだ」(引用:一色まこと「ピアノの森」第08巻)
という言葉も続いてはいるが。
個人的には、作品は著作者の手を離れた時点でどのような解釈も受け入れるべきだし、どのような取り扱いも許されると思う。それを禁じるためには、著作者は著作物以外に自分の意図を記したレジュメをつける必要があるだろう。落語のオチ解説をつけろというわけだ。
もちろんそんなものは不必要だ。だからこの法律は、そういう観点で見ればパロディ作品に対する牽制なのかもしれませんね。
こんあ勝手な法解釈がありえるのも、法律そのものに解釈の余地があるからなのだと思う。
この本では、大胆にもディズニー社を対象にして著作権を説明していく。著作権とディズニーにも密接な関係があるのだが、契機となった出来事もコラムに書かれていた。
著者の中村俊介氏はウェブサイトも運営していて、アドレスは下記のとおり。
http://www.geocities.jp/shun_disney7/
サイトでは掲示板もあり質疑応答が盛んに行われている。
本の内容については、次のアドレスに詳しく書かれている。
http://www.geocities.jp/shun_disney7/book.html
著作権とネットとの関係で迷った時に本を開いてみれば、例示されている中に自分が抱えている問題があるかもしれませんね。
余談だが、昔のテレビ番組で名作の誉れ高くても再放送できないものがある。技術的な問題で再放送できない場合(当時はまだビデオ技術がなかったとか、ビデオテープを使い回しして上書きしていた等)もあったらしいのだが、それ以上に、著作権の問題でもあったと、立ち読みした本に書いてあった。本のタイトルは失念。放送は一回限りのものという前提で、録画は著作権にある複製の権利に触れるわけだ。そのあたりはとっくに改正されて、今は著作隣接権として放送事業者の権利として、複製権や再放送権が整備されている。
今でも見たいドラマはNHKの「天下御免」。兄とのチャンネル争いに負けて見れなかった回がある。それがとても心残りだ。チャンネル争いそのものが死語になってきているのかもしれないけれども。
借りた図書館:大阪府立図書館
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